大阪府公立高校入試 作文(小論文)の書き方

平成28年度の入試では、長文問題の一部として出題されました。長文中のある一部分の文章について、自分の意見を述べるという小論文形式となっています。

AB問題については同じ長文から出題され、Aでは160字前後、Bでは300字以内という制限の違いがありました。

Cでは、長文の内容もより抽象的で難しくなり、いくつか指定された条件を満たしつつ300字以内で文を書かなければなりません。


大阪府の公立高校別 必要な内申点・偏差値の一覧はこちらをご覧ください。

平成28年度 大阪府公立高校入試 作文・小論文
(平成29年度入試の対策)

平成28年度 大阪府学力検査から抜粋

注1ホームページで表示するため、「原稿用紙の正しい使い方」とは異なる改行などがあります。

注2今後、さらに加筆・修正していく予定です。

A問題

長文中の一部

適切な言葉遣いができる「会話の達人」になるためには、やはり努力の積み重ねが必要です。

その第一歩は、言葉遣いに意識的になること。

自分の言葉はもちろんのこと、他人の言葉遣い、書物やメディアなどに出てくる表現も意識することです。

そして、特に人とやりとりする中から大いに学び、改善すべきところは改善し、わからないことは辞書などで調べるなどして、言葉遣いを磨くことです。

設問

本文中に示した箇所では、適切な言葉遣いができるようになるための努力について、筆者の考えが述べられています。

あなたなら、適切な言葉遣いができるようになるために、今後どのようなことに取り組んでいきたいと考えますか。

あとの条件1・2にしたがって、あなたの考えを別の原稿用紙に書きなさい。

条件1 最初に、「適切な言葉遣いができるようになるために取り組みたいこと」を一つ、原稿用紙の空所に書き入れること。

条件2 次に、その取組みが適切な言葉遣いをすることにどのようにつながるのかを、原稿用紙のマス目に書かれている「その理由は、」という言葉に続けて、百六十字程度で書くこと。(字数には、「その理由は、」ということばを含みます。)

解答例

私が今後、適切な言葉遣いができるようになるために取り組んでいきたいことは、日頃から先生の言葉遣いに着目し、先生と意識して会話をするということです。

その理由は、先生は生徒を指導する立場であることもあり、その言葉遣いが丁寧かつ適切だからです。

言葉遣いを身につけるには、他人の言葉遣いからの学びや人とのやりとりからの学びの積み重ねが重要です。

先生は私が会話をする目上の人の中でも、最も身近な存在であり、学びの積み重ねには最適だと思います。

B問題

長文中の一部

適切な言葉遣いができる「会話の達人」になるためには、やはり努力の積み重ねが必要です。

その第一歩は、言葉遣いに意識的になること。

自分の言葉はもちろんのこと、他人の言葉遣い、書物やメディアなどに出てくる表現も意識することです。

そして、特に人とやりとりする中から大いに学び、改善すべきところは改善し、わからないことは辞書などで調べるなどして、言葉遣いを磨くことです。

設問

本文中のIで示した箇所では、適切な言葉遣いができるようになるための努力について、筆者の考えが述べられています。

この筆者の考えをふまえて、あなたなら、適切な言葉遣いができるようになるために、今後どのようなことに取り組んでいきたいと考えますか。

あとの条件1・2にしたがって、あなたの考えを別の原稿用紙に三百字以内で書きなさい。

条件1 あなたやあなたの周りの人たちの言葉遣いに対するあなたの考えを書くこと。

条件2 次に、最初に書いたあなたの考えをふまえて、あなたが今後取り組んでいきたいことを一つあげ、その取組みが適切な言葉遣いにどのようにつながるのかについて書くこと。

解答例1

友人は実際にはそれほど気持ち悪く無いことに対しても、冗談交じりで「きもい」という言葉をよく用います。

しかし、傍から聴いている私にとっては、その言葉はあまり気持ちの良いものではありませんでした。

感情の度合いに関わらず、全てを「きもい」の一言で表現すると、話し手と聞き手で認識の違いが起こるため良くないと思いました。


このことから、私は自分の感情を適切に相手に伝える言葉遣いを身につける必要があると感じました。

そのためにも様々な本を読むことを通じて、多様な感情を表す言葉に触れて、それを少しずつ自分のものにしていきたいと思います。

解答例2

私は、仲の良い学校の先生に対して敬語を用いずに話すことが多々ある。

しかし、友人は同じように先生と仲が良いが、常に敬語を使って会話している。

そうした彼の言葉遣いと比較すると、私の話し方には少し問題があると思う。


これから私は、彼の話し方や大人の人同士の会話の仕方を意識して聞くようにしたい。

大人はたとえ親しい私人関係にあったとしても、公の場においては相互に最低限のマナーとして敬語を用いる。

それが社会的に正しいとされているからだ。

私もそうした人々の会話から学ぶ中で、少しずつ自分の話し方を改善していき、適切な言葉遣いを身につけていきたい。

解答例3

私の言葉遣いの問題点は、表現力に乏しく自分の気持ちを上手く言葉にすることができないことだ。

友人から、本やドラマ、映画、テレビ番組の感想について尋ねられても、いつも「面白かった」、「楽しかった」、「感動した」といった単調な返答しかできない。

結果として相手も聞いていてつまらないので会話が弾まない。


私はこれから他の人が使っている感情表現や言葉を意識して聞くようにしたい。

当然ながらそこで聞いた言葉を全て自分のものにすることは不可能である。

しかし、それらを少しずつでも発言の中に取り入れていくことが、自分の表現力を豊かにしていくだろう。

C問題

長文中の一部

私たちの心は、自分だけしか知りえないという意味で、個に閉じたものだ。

しかし、その心はまた、他者の心を読むための機能を持つものとして、私たちに備わっている。

その機能ゆえに、私と他者はつながれ、閉じた個から他者へ、さらには社会へと広がっていく。

他者を理解し意味づけること、共感的理解に基づく関係や秩序ある社会集団を維持することは、他者の心を読むことの上に成り立っている。

私の心が他者の心を読み、他者の心が私の心を読むことにより、私たちそれぞれは、個であることを超えて、社会という、人と人とのつながりの中に組み込まれていくのだ。

設問

次は、他者の心を読むという行為に関連して、他者の心を読むときの二つの方法について述べたものである。

方法Aまたは方法Bのどちらかについて利点と問題点とをあげながら、他者の心を読むということについてのあなたの考えを、別の原稿用紙に三百字以内で書きなさい。

方法A 自分の心を手がかりにして他者の心を読むという方法。

他者がおかれている状況に自分自身をあてはめたうえで、これまでの経験をふまえて自分自身の考えや感情、態度などを把握し、他者と自分と同じような心の状態であると考えて、他者の心を理解しようとする。

方法B 他者の心や他者のおかれた状況の特性についての知識を適用して他者の心を読むという方法。

自分自身が経験したことのない事柄でも、ある状況が引き起こす心の状態や、心の状態と行動との関係などについて、一般的な知識を活用して他者の心を理解しようとする。

解答例1

方法Aの利点は、他者のおかれている状況を自分にあてはめて考えるので、心境が想像がしやすく感情移入しやすい点が挙げられる。

一方で問題点として、自分が経験したことのない状況における心を理解することが難しい点が挙げられる。


他者の心を読むことは私たちが社会生活を営む上で必要不可欠な行為だ。

他者と会話をする、遊ぶ、交流する、共に仕事をする時、私たちは常に相手の心を推測しながら行動している。

そして、こうした行為の積み重ねこそが自身の新たな社会経験となり、結果としてより正確に他者の心を読むことが出来るようになっていく。

人は他者の心を読むことにより社会的に成長し、それは社会全体を良いものへと導いていくといえるだろう。

解答例2

方法Bの利点は、人生経験が少ない若者でも、一般的な知識を活用することでその欠点を補い、他者の心をある程度理解できることだ。

一方で問題点としては、知識の無い事柄に関しては他者の心を読むことが出来ない点が挙げられる。


他者の心を読むことは、社会の中で生きていく上で不可欠である。

例えば、文化祭等でクラスで一つのことをやり遂げる場面を考えてみたい。

それを成し遂げるには、たとえ自分の思い通りに事が進まなくても、同級生の考えを理解した上で自身の行動を変えていく必要があることは明白だ。

このことは、学校に限らず会社で働いていく中でも同じである。

心を理解することは、相手を知るためだけにあるのではない。

社会を動かしていくために無くてはならない行為だ。

解答例3

方法Aの利点は、自らの経験則に基づいて考えることにより、他人の心に対する理解度が深まることが挙げられる。

一方で問題点としては、主観を交えて判断するために他者への理解に個人差が生じてしまうことが挙げられる。


他者の心を読むことは、秩序だった社会生活を営むことにおいて必要な行為である。

また、そうした社会生活の中での人生経験は、他者への理解をより深めることだけでなく、自らを他者に理解してもらうための振る舞いを学ぶことにもつながる。

心を理解することは、人と人とのつながりで成り立つ社会をよりよいものにするだけでなく、自分自身を成長させるための手段の1つともいえるだろう。

作文の書き方と学習方法

A問題

A問題は、適切な言葉遣いをするために取り組みたいこととその理由について、自分の意見を述べる問題となっています。

自分なりの意見をはっきりと持っている場合であれば、本文の内容に関係なくその主張を条件に当てはまるように記述すれば良いです。

意見が思い浮かばない場合は、本文中の筆者の考えを参考にして文章を作成しましょう。

筆者は、適切な言葉遣いをできるようにするためには「努力の積み重ね」が必要だとし、その第一歩として「言葉遣いに意識的になること」が重要だと述べています。

この点から自分が日常的に触れる「適切な言葉遣い」の例(書物、アナウンサーの話し方、教師の話し方など)を思い浮かべ、それを意識して学ぶといった趣旨の内容を書けば良いでしょう。

B問題

B問題は、設問中に「筆者の考えをふまえて」という文言があります。

このことから、この作文を作成するにあたっては本文の内容を十分に理解しておく必要があります。

今回の場合、基本的には「適切な言葉遣いを出来るようになるためには何をするべきか」が作文の主題であり、これは本文の主題とほぼ同じです。

故に、まず本文中での筆者の主張を抜き出し、その内容を自分の場合に当てはめた場合を考えて書くと比較的簡単に書き上げることが出来ます。条件1に関しては、自分の身の回りで適切な言葉遣いでないと感じる事例を取り上げ、それを肯定できないといった趣旨の文章を書きます。条件2は、「適切な言葉遣いを身につけるべきだ」という主張を第一に書き、そのためにすべきことをA問題の後半部分と同じような要領で書くと良いでしょう。

C問題

C問題の解答例は二段落構成で作成していますが、一段落目に関しては本文の内容を参考にはしていません。

一方で二段落目の内容に関してはほぼ本文の内容の要約に近いものになっています。

二段落目は「他者の心を読むことに対する自分の考え」が主題となっていますが、本番当日、こういった普段考えることの無いような内容を自力で書くことは得策ではありません。

A、B問題と同様に今回の問題は文章題の設問の一部として作文が出題されているので、必ず第一に本文の内容を十分に理解しておきましょう。

A、B、C問題共通

本文の内容を理解していないと解けない問題になっています。

特に筆者の考えに関連した作文が出題されていることから、正確に筆者の主張を理解する能力が必要になってきます。

加えて、その意見を踏まえた上で自分はどう思うのか、即ち自分の主張を述べられるかが重要になっています。

ただ、なかなか自分の主張を身につけることは容易ではありません。日頃から新聞や論説文などを読む際に、筆者の主張に対する自分の考えを少しでもいいので持つように心掛けましょう。

最初は「賛成、反対」どちらの立場であるかを明確にするところから始めると良いです。

次に、なぜ自分は賛成(または反対)であるのか、論理的に理由を書く練習をしましょう。

賛成であれば、筆者の意見のどういった点に同意したのか、またそれ以外に自分の意見として筆者の意見に賛成する理由、などを書きましょう。

または、反対であれば、筆者の意見のどこに問題があると考えているのかに注意しながら理由を書きましょう。

愛知ゼミナールの国語作文対策

平成28年度入試のような作文問題の形式において、対策を取る上で難しい点は、単に「作文の練習をする」だけではなく、「文化・モラル・経済・国際社会など、様々な分野の知識を増やす」というところではないかと思います。

新聞を読む・ニュースを見るというのが最良の方法ですが、かなりの時間を要します。

今回のような作文問題の形式は、これまで、「大阪教育大附属池田中学校」の入試でも出題されています。

そのため、当塾では以前からその形式にぴったり合った問題集を使用して練習してきました。

例題50個の中で優先順位を決めて取り組みます。

一つ一つの例題には、作文を書くために必要な知識事項がまとめてあり、効率よく学んでいけます。

愛知ゼミナールの高校受験生の指導内容に関しては高校受験コースのページをご覧ください。



平成27年度入試まで

これまでに出題されたテーマ

A 私の 大切 にしているもの
B 近づく春
C 日曜日
C わたしの好きな動物
C 水
A 学校生活で得たもの
A あいさつ
A 友達
A 私が感動したこと
A 心に残った出会い
B 出発
A 笑顔
B あこがれ
C 自然と私
A 心のふれあい
A 感動
A 信頼
A 心温まる行い
A 私の出会い(クラスのみんなの前で話すとしたら)
A 私が誇りに思うこと
A 春夏秋冬の中からもっとも好きな季節について
A わたしの好きなことば
A 「ことばのもつ力」について
A 思いやりの心
A 輝き
A 私が美しいと思うもの
A ことばと私
B 道
A いのち
A 発見
B 明日
A 大切にしたい気持ちや態度を表す漢字1字
A 好きな季節とその理由
A 好きだと思う身近な風景
C 宇宙
A かけがえのないもの
A 包む
A 磨く

作文の注意事項

(1) 二段落構成にする(まず事実そして感想・意見を)
    前段に具体的な体験を書き、後段に、それに関する自分の意見を書く。

(2) 指定字数内にまとめる(270 字から300 字以内に)
    公立高校の入試では300 字以内に収めるよう指示され、
    少なくとも指定字数の8~9割は書く。

(3) 内容、表記

 ・段落は1字下げで始める。段落分けしていないのに、1字下げとしない。
 ・文の終わりは句点『。』を打ち、次の文はその後につける。
  段落分けするとき以外に改行しない。
 ・文頭の接続詞の後や意味上の区切りなどに読点『、』を打つ。
 ・文は極力短くし、だらだら書かない。
 ・文体は全文一致させる。「だ」「である」(常体) 「です」「ます」(敬体)
 ・同じ接続詞ばかり使わない。「けど」は「けれど」になおす。
 ・「!」「?」を使わない。
 ・助動詞や形式名詞の「する様に」「こんな事」は漢字にしない。
 ・主題(言いたいことがら)は首尾一貫していること
 ・文頭は工夫する(「私は・・」で始めない)

テーマの予想は非常に難しいですが、過去のテーマを見てみると、ある程度対策は立てられます。あらかじめ書くことを準備しておくことができます。
上部に、これまでに出題されたテーマをすべて挙げていますが、ABCとグループに分けることができました。Aがかなり多くなりましたが、これらは全て「友情」というテーマに置き換えて書くことができます。つまりAのテーマ全てに同じ内容の作文を書いても構わないのです。「友情にまつわる体験」と、「友情にまつわる会話」について用意しておけば万全です。
例えば、「私が誇りに思うことは、~という体験から得た親友とのきずなです。」「私が好きな言葉は、親友と交わした『頑張ろう』という、お互い励ましあい、支えあった言葉です。」などのように、少し文章を付け加えれば、しっかりと各テーマにあてはまります。
次に、Bのテーマですが、「高校生になって、やってみたいこと」という内容で書くことができます。AとBについては、書く内容を準備しておいたほうが良いでしょう。作文を素早く書いて、長文にしっかりと時間をかけたいものです。
そして、問題はCですが、単独のテーマですので、準備しようがありません。ただ、具体的な題材で、自分の体験を書きやすいはずです。試験中に考えるしかありませんが、いくつかコツをお教えします。
まず、2段落構成では、前半に自分の体験を、後半にそれで得たことや感じたこと、まとめを書かなければなりません。書くことがなくて1段落目にまとめのようなことを書いてしまうと、全体的にメリハリがなくなり、減点されます。まとめをたくさん書くことは難しいですので、できるだけ1段落目の体験は全体の3分の2以上書きましょう。字数を増やしたいときは、修飾語を多めに付け加えたり、感想も入れてしまいましょう。2段落目に、「今後こうしていきたい。」という内容を書けば、段落分けができます。
最後に作文の内容ですが、自分の気持ちや感想を書くときに、「うれしかった」「楽しかった」「気分がすっきりした」「感動した」などを全部「よかった」としたり、「悲しかった」「寂しかった」「つらかった」「残念だった」などを全部「いやだった」と書く人がいます。感情を表す言葉は具体的に書きましょう。

感情を表す言葉
喜ばしい・面白い・さびしい・悲しい・腹立たしい・落ち着いている・楽しい・愉快だ・さわやかだ・不愉快だ・もやもやする・うれしい・恐ろしい・気味が悪い・疑わしい・怪しい・不思議だ・意外だ・苦しい・つらい・切ない・安心だ・心配する・不安だ・心細い・残念だ・おしい・くやしい・うらめしい・ほこらしい・恥ずかしい・満足する・つまらない・不満だ・情けない・心苦しい・気の毒だ・きらい・にくらしい・つまらない・ひもじい・涙ぐましい・後ろめたい・好きだ・愛情深い・いとしい・なつかしい・頼もしい・あきれる・驚く・けなげだ・いじらしい・感動する・興奮する など

以上が課題作文を仕上げるコツですが、ぜひ参考にしてみてください。皆さんの受験本番での健闘を祈ります。

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