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令和6年度 大阪府公立高校入試 作文・小論文

令和6年度の入試でも、作文問題は大問五として出題されました。出題形式は、指定された条件を満たしつつ、自分の意見を述べるという小論文形式です。

今年度もC問題については「資料」が与えられ、そこから読み取れることを踏まえて文章を作る形式となりました。昨今、ますます重要視されている「資料を読み取る」力とともに、「意見を記述する」力が試される問題だったといえるでしょう。また、B問題に関しては、「資料」は与えられず、自分の意見を論理立てて書く必要がある問題となっていました。自分の意見をしっかりと持ち、その意見を分かりやすく記述する力が重視された問題となっているように思われます。

文字数に関しては、B問題が260字以内、C問題は300字以内と例年と同様でした。また、配点もB問題は18点、C問題は20点と例年と同様でした。

注1 Webページで表示するため、「原稿用紙の正しい使い方」とは異なる改行などがあります。
注2 一部、著作権等の問題により図は表示できません。

以下、令和6年度 大阪府学力検査から抜粋

B問題

設問

 合意の形成に向けての話し合いを行う際に、あなたが心がけたいと考えることはどのようなことですか。次の条件1・2にしたがって、あなたの考えを別の原稿用紙に書きなさい。

条件1 あなたが心がけたいと考えることはどのようなことかを示したうえで、なぜそのように考えたのかを説明すること。
条件2 二百六十字以内で書くこと。

解答例
 私は、歩み寄る姿勢を心がけたいと考える。なぜなら、主張が対立している中で合意を形成するためには、双方が、譲ることができる部分を見出さなければならないと考えるからだ。
 自分の主張に終始し、相手の言葉には耳を傾けようともしないなどという態度は、話し合いの場にあるまじき態度である。お互いが歩み寄りの姿勢をみせてはじめて話し合いは意味を成す。そのことを念頭に置いたうえで、私は、話し合いに臨むものとして、自分の利のことだけを考えるのではなく、歩み寄る姿勢を失わない誇り高い人間でありたいと考える。

C問題

設問

 次の資料A、資料Bを読んで、「読書」とはどのようなものかということについてのあなたの考えを、別の原稿用紙に三百字以内で書きなさい。ただし、あとの条件1・2に従って書くこと。

資料A
 良書を初めて読むときには、新しい友を得たようである。 オリバー・ゴールドスミス
資料B
 本は私たちの中にある凍りついた海を割る斧でなければならない。 フランツ・カフカ

条件1 資料A、資料Bの少なくとも一つについてふれること。
条件2 資料からどのようなことを考えたのかを明らかにして書くこと。
    ※二つの資料をそれぞれA、Bと表してもよい。

解答例
 読書とは、私にとって、世界を広げてくれるものである。
 Bにある「凍りついた海を割る斧」という表現から、私は、自分の固定化された考えを打ち砕いてくれた本との出会いを思い出した。読書によって、新たな価値観と出会うことができるとカフカは述べているのだと考える。
 人間は、自分の生きてきた世界しか体験できない。しかし、本は自分の経験だけにとどまらない広い世界を見せてくれる。憧れを抱きながらも手が届かなかった世界。現実には不可能な出来事が起こる世界。その世界は多様である。私は、現実では体験することのできない新たな世界に、これからも本を通して出会っていきたい。

解説

全体
作文問題はどれだけ急いだとしてもある程度の時間がかかります。また、焦って書くとミスが誘発されます。文のねじれ、論理の矛盾などのミスは、書き直す労力が非常に大きいため、初めから大きなミスなく書ききることがポイントです。試験が始まったらすぐに作文から取り掛かり、あまり焦らなくてもよい環境を作り出しましょう。

また、ある程度の時間配分を決めておくことで、読解問題にも安心して取り組めます。すべての問題をしっかりと解ききるためにも、時間配分を意識した練習をしておきましょう。そして、作文の問題の形式に慣れておくことも重要です。

作文問題で最も重要なポイントは、題意をおさえた解答を作成することです。書くべき項目をもれなく十分に書いていれば、大きく失点することはありません。
問題をしっかり読んで、問われていることは何か、書くべきことは何かをきちんと押さえましょう。慌てず、冷静に問題を読み、作文の大まかな流れを組み立ててから書き始めましょう。

B問題
B問題では、主に自分の意見を記述する力が問われました。まずしっかり自分の意見を固め、それから論理的な文章を組み立てる必要があります。今年度は、「合意の形成」という、日常では耳なじみのない言葉に驚いたかもしれません。しかし、日常生活での話し合いの場面を想像することができれば、自分の意見を持ちやすかったのではないでしょうか。

解答の核となる自分の意見を固めた上で、論理展開を意識しながら記述しましょう。日常生活ではどんな場面が当てはまるかを考えることで、身近な問題として捉え、文章の方向を決めていくことも一つの手です。
作文問題において、条件さえ満たしていれば大きく減点されることは稀です。条件をしっかり読んで、条件から外れないように組み立てることが重要です。
また、時間の関係もあるので、難しく考えすぎず取り組むことを心がけましょう。作文問題に慣れておくことも大切です。しっかりと対策しておきましょう。

C問題
C問題では、テーマがやや抽象的であるため、少し自分の意見を固めにくいと感じたかもしれません。どちらの資料を使うかによって多少の展開の違いは予想されますが、自分の意見をはっきりと述べ、資料にふれながら記述することができれば、大きく失点することはないでしょう。読書という身近な出来事がテーマとなっているため、自分の経験を軸にして文章を作っていくと書きやすいのではないかと思われます。

資料から考えられることを述べたうえで、自分の考えもしっかりと記述することが重要です。まずは、資料を参考にしながらでも良いので、与えられた問題に対する自分の意見を固め、文章の方向性を定めましょう。
抽象的な問いだからこそ言葉の選び方が難しい側面があると同時に、抽象的だからこそ普段からの自分の思考に引き付けやすいという側面もあります。柔軟な発想をもって、自分の意見を作っていくことを意識してください。
また、このような抽象的なテーマの作文問題に慣れておくことも重要です。しっかりと対策しておきましょう。

令和5年度 大阪府公立高校入試 作文・小論文

令和5年度の入試でも、作文問題は大問五として出題されました。出題形式は、指定された条件を満たしつつ、自分の意見を述べるという小論文形式です。

今年度も「資料」が与えられ、そこから読み取れることを踏まえて文章を作る形式となりました。昨今、ますます重要視されている「資料を読み取る」力とともに、「意見を記述する」力が試される問題だったといえるでしょう。
今年度は「意見を記述する」力がさらに重視された作文問題になっているようにも思われます。

文字数に関しては、B問題が260字以内、C問題は300字以内と例年と同様でした。また、配点もB問題は18点、C問題は20点と例年と同様でした。

注1 Webページで表示するため、「原稿用紙の正しい使い方」とは異なる改行などがあります。
注2 一部、著作権等の問題により図は表示できません。

以下、令和5年度 大阪府学力検査から抜粋

B問題

設問

 次の【資料】は、日常の言葉遣いや話し方、あるいは文章の書き方などといったの国語に関する意識や理解の調査における「国語は乱れていると思うか」という質問に対する回答結果をまとめたものです。

【資料】の内容にもふれながら、「国語は乱れていると思うか」という質問に対するあなたの考えを別の原稿用紙に書きなさい。ただし、あとの条件1・2にしたがって書くこと。

【資料】
「国語は乱れていると思うか」(全国の16歳以上を対象に調査)
乱れていると思う 66.1%
乱れていないと思う 30.2%
わからない 3.1%

「乱れていると思う」と考えた理由
〇敬語を正しく使えていない人が多いから。
〇若者言葉や新語、流行語が多用されているから。
〇語句や慣用句、ことわざを正しく使えていない人が多いから。

「乱れていないと思う」と考えた理由
〇言葉は時代によって変わるものだから。
〇多少の乱れがあっても根本的には変わっていないから。
〇いろいろな言葉や表現がある方が自然だから。

条件1 「国語は乱れているか」という質問に対するあなたの考えを示したうえで、なぜそのように考えたのかを説明すること。
条件2 二百六十字以内で書くこと。

解答例
 私は、国語は乱れていると思う。なぜなら、文法的に間違った言葉遣いがされている場面に出会うことが数多くあるからだ。ら抜き言葉や、書き言葉と話し言葉の混同、敬語の間違いなど、挙げていけばきりがないほどに多くの誤用を耳にする。
 資料からも、国語が乱れていると思う人が66.6%と半数以上を占めていることが分かる。これだけ多くの人が乱れていると思うということは、やはりかなりの割合で間違った言葉遣いがされているのではないかと思う。私はそれは、国語が乱れている状態であると考える。

C問題

設問

次の【資料】は、「あなたにとって『美しい日本語』とはどのような言葉か」という質問に対する回答結果を表したものです。

【資料】からわかることにもふれながら、「美しさを感じる言葉」とはどのようなものかということについてのあなたの考えを、別の原稿用紙に三百字以内で書きなさい。

【資料】
「あなたにとって『美しい日本語』とはどのような言葉か」(全国の16歳以上を対象に調査・下記の選択肢から三つまで選択可)

思いやりのある言葉 63.3%
挨拶の言葉 45.3%
季節の移り変わりを表す言葉 34.5%
控えめで謙遜な言葉 34.3%
短歌・俳句などの言葉 25.1%
素朴ながら話し手の人柄がにじみ出た言葉 22.0%
アナウンサーや俳優などの語り方 17.0%
故郷の言葉 14.6%
童謡・文部省唱歌の歌詞 7.1%
漢詩・漢文などの引き締まった表現 5.4%
大和言葉(和語)を使った表現 4.9%
その他 0.9%

(「国語に関する世論調査」(文化庁)により作成)

解答例
 資料から、『美しい日本語』とは「季節の移り変わりを表す言葉」だと回答した人が34.5%いることが分かる。最も多いわけではないが、三番目に多い割合を占めている。
 このことも踏まえ、私は「美しさを感じる言葉」とは、その言葉ならではの感性が表現されたものだと考える。日本には四季があり、昔からその移り変わりや風景の美しさを愛でながら人々が生活してきた。そのために、日本語には、季節や風景を表現するための言葉が数多く存在している。生活の中にひそんでいる美しさや変化に目を向け、それらを他者に伝えようと生み出され、用いられてきた言葉を、私は心から美しいと思う。

解説

全体
作文問題はどれだけ急いだとしてもある程度の時間がかかります。また、焦って書くとミスが誘発されます。文のねじれなどのミスは、書き直す労力が非常に大きいため、初めから大きなミスなく書ききることがポイントです。試験が始まったらすぐに作文から取り掛かり、あまり焦らなくてもよい環境を作り出しましょう。

また、ある程度の時間配分を決めておくことで、読解問題にも安心して取り組めます。すべての問題をしっかりと解ききるためにも、時間配分を意識した練習をしておきましょう。そして、作文の問題の形式に慣れておくことも重要です。

作文問題で最も重要なポイントは、題意をおさえた解答を作成することです。書くべき項目をもれなく十分に書いていれば、作文問題で大きく失点することはありません。

問題をしっかり読んで、問われていることは何か、書くべきことは何かをきちんと押さえましょう。慌てず、冷静に問題を読み、作文の大まかな流れを組み立ててから書き始めましょう。

B問題
B問題では、資料を読み取る力と自分の意見を記述する力がともに問われました。まずしっかりと資料を読み取り、その上で自分の意見を組み立てる必要があります。今年度は、資料の中で問われた質問と、問題として提示され解答しなければならない質問が共通だったために、自分の意見を組み立てやすかったかもしれません。

資料から読み取ったことに触れることを意識した上で、自分の意見を記述しましょう。資料に書かれている内容も大いに参考にしながら文章の方向を決めていくことも一つの手です。
条件さえ満たしていれば大きく減点されることは稀です。時間の関係もあるので、難しく考えすぎず取り組むことを心がけましょう。作文問題に慣れておくことも重要です。しっかりと対策しておきましょう。

C問題
C問題では、与えられた資料には多くの情報が含まれていました。また、テーマがやや抽象的であるため、少し自分の意見を固めにくいと感じたかもしれません。資料のどの部分を使うかによって多少の展開の違いは予想されますが、自分の意見を確立し、資料にふれながら記述することができれば、大きく失点することはないでしょう。資料があることで、自分の意見を定めやすいといった側面もあったように思われます。

自分の意見をしっかりと持ったうえで、その意見と資料との関係付けが求められます。まずは、資料を参考にしながらでも良いので、与えられた問題に対する自分の意見を固め、文章の方向性を定めることが必要です。また、このような抽象的なテーマの作文問題に慣れておくことも重要です。しっかりと対策しておきましょう。

令和4年度 大阪府公立高校入試 作文・小論文

令和4年度の入試でも、作文問題は大問五として出題されました。出題形式は、指定された条件を満たしつつ、自分の意見を述べるという小論文形式です。

今年度も「資料」が与えられ、そこから読み取れることを踏まえて文章を作る形式となりました。昨今、ますます重要視されている「資料を読み取る」力とともに、「意見を記述する」力が試される問題だったといえるでしょう。

文字数に関しては、B問題が260字以内、C問題は300字以内と例年と同様でした。また、配点もB問題は18点、C問題は20点と例年と同様でした。

注1 Webページで表示するため、「原稿用紙の正しい使い方」とは異なる改行などがあります。
注2 一部、著作権等の問題により図は表示できません。

以下、令和4年度 大阪府学力検査から抜粋

B問題

設問

 次の【資料】は、海外に在住している外国人を対象におこなった「日本の文化財や伝統的な文化のうち、関心のあるものは何か」というアンケート調査の回答結果をまとめたものです。

あなたは、外国の人たちにどのような日本の文化財や伝統的な文化を伝えたいと考えますか。

【資料】から読み取れる内容にふれながら、あなたの考えを別の原稿用紙に二百六十字以内で書きなさい。

【資料】
「日本の文化財や伝統的な文化のうち、関心のあるものは何か」(複数回答可)
伝統的な食文化 44.4%
自然環境 43.6%
生活様式 41.2%
景観・町並み 38.8%
工芸品 26.8%
伝統芸能 20.0%
スポーツ 20.0%
(文化庁の資料により作成)

解答例
私は、外国の人たちに伝統的な食文化を伝えたいと考える。資料から、アンケートに回答した海外に在住している外国人の44.4%が「伝統的な食文化」に関心があることが分かる。日本の食文化である和食が世界的に注目されたこともあってか、選択肢の中で最も高い割合である。
そして、物事を伝える際には、やはり相手の関心のあるものについて伝える方が効果的であると考える。より日本の文化に親しんでもらい、日本の魅力に目を向けてもらうために、私はまず伝統的な食文化を伝えたい。

C問題

設問

次の【資料】は、「これからの時代に必要だと思う言葉に関わる知識や能力等は何か」という質問に対する回答結果を表したものです。

【資料】からわかることをふまえて、あなたがこれからの時代に必要だと思う言葉に関わる知識や能力等について、別の原稿用紙に三百字以内で書きなさい。

【資料】
「これからの時代に必要だと思う言葉に関わる知識や能力等は何か」(全国の16歳以上を対象に調査)

平成14年度

説明したり発表したりする能力 17.7%
相手や場面を認識する能力 7.4%
論理的に考える能力 7.9%
分析して要点をつかむ能力 6.5%
言葉で人間関係を形成しようとする意欲 12.2%
考えをまとめ文章を構成する能力 12.2%
敬語等の知識 11.2%
日本の伝統的な文化やものの見方 4.7%
漢字や仮名遣い等の文字や表記の知識 9.5%
語句や慣用句等の知識 2.6%

平成28年度

説明したり発表したりする能力 20.7%
相手や場面を認識する能力 18.9%
論理的に考える能力 10.7%
分析して要点をつかむ能力 9.8%
言葉で人間関係を形成しようとする意欲 9.1%
考えをまとめ文章を構成する能力 7.5%
敬語等の知識 6.5%
日本の伝統的な文化やものの見方 4.8%
漢字や仮名遣い等の文字や表記の知識 3.4%
語句や慣用句等の知識 1.2%
(「国語に関する世論調査」(文化庁)により作成)

解答例
資料から、「説明したり発表したりする能力」が必要だと考える人が平成14年度では17.7%であり、平成28年度では20.7%と増加していることが分かる。加えて、この能力を必要だと考える人の割合はどちらの年度でも最も高い。
このことから、この能力はどんな時代においても必要だと考えられており、近年さらに重視されるようになったと言えるだろう。アクティブラーニングが授業に多く取り入れられるようにもなり、説明や発表は生活していく上で避けては通れないものとなった。だから、私は、これからの時代ではより説明したり発表したりする能力が必要だと考える。

解説

全体
作文問題はどれだけ急いだとしてもある程度の時間がかかります。また、焦って書くとミスが誘発されます。文のねじれなどのミスは、書き直す労力が非常に大きいため、初めから大きなミスなく書ききることがポイントです。試験が始まったらすぐに作文から取り掛かり、あまり焦らなくてもよい環境を作り出しましょう。

また、ある程度の時間配分を決めておくことで、読解問題にも安心して取り組めます。すべての問題をしっかりと解ききるためにも、時間配分を意識した練習をしておきましょう。そして、作文の問題の形式に慣れておくことも重要です。

作文問題で最も重要なポイントは、題意をおさえた解答を作成することです。書くべき項目をもれなく十分に書いていれば、作文問題で大きく失点することはありません。

問題をしっかり読んで、問われていることは何か、書くべきことは何かをきちんと押さえましょう。慌てず、冷静に問題を読み、作文の大まかな流れを組み立ててから書き始めましょう。

B問題
B問題では、資料を読み取る力と自分の意見を記述する力がともに問われました。まずしっかりと資料を読み取り、その上で自分の意見を組み立てる必要があります。資料のどの部分を使い、どのような意見を記述すればいいのか、方針が少し立てにくかったかもしれません。

資料から読み取ったことに必ず触れることを意識した上で、自分の意見を記述しましょう。条件さえ満たしていれば大きく減点されることは稀です。時間の関係もあるので、難しく考えすぎず取り組むことが必要です。作文問題に慣れておくことも重要です。しっかりと対策しておきましょう。

C問題
C問題では、与えられた資料には多くの情報が含まれていました。どの部分を使うかによって多少の展開の違いは予想されますが、資料を読み取り、それと関連付けた自分の意見を記述することができれば大きく失点することはないでしょう。多くの資料があることで、自分の意見と関連付けられる資料の部分を探しやすいといった側面もあったように思われます。

自分の意見をしっかりと持ったうえでの資料の読み取りが求められます。何が自分の意見を支える根拠となるのかを判断し、資料から必要な情報を適切に読み取り、記述する力が必要です。しっかりと対策しておきましょう。

令和3年度 大阪府公立高校入試 作文・小論文

令和3年度の入試でも、作文問題は大問五として出題されました。出題形式は、指定された条件を満たしつつ、自分の意見を述べるという小論文形式です。

今年度も「資料」が与えられ、そこから読み取れることを踏まえて文章を作る形式となりました。昨今、ますます重要視されている「資料を読み取る」力とともに、「意見を記述する」力が試される問題だったといえるでしょう。

文字数に関しては、B問題が260字、C問題は300字と例年と同様でした。また、配点もB問題は18点、C問題は20点と例年と同様でした。

注1 Webページで表示するため、「原稿用紙の正しい使い方」とは異なる改行などがあります。

注2 一部、著作権等の問題により図は表示できません。

以下、令和3年度 大阪府学力検査から抜粋

B問題

設問

ある中学校の生徒会では、「一人一人が積極的にあいさつをして気持ちよく学校生活を送る」という【目標】を実現するために、次のA、Bの二つの【標語】が提案されました。

あなたは、AとBのどちらの標語が目標を実現するのに効果的な標語だと考えますか。

あなたの考えを別の原稿用紙に二百六十字以内で書きなさい。

ただし、あとの条件1・2にしたがって書くこと。

【目標】

一人一人が積極的にあいさつをして気持ちよく学校生活を送る

【標語】

A 届けよう 元気なあいさつ 始めよう すてきな一日

B おはようの そのひとことで 笑顔あふれる

条件1 A、Bのどちらか一つを選ぶこと。

条件2 条件1で選んだ標語が、目標を実現するのに効果的な標語だと考える理由を書くこと。

*二つの標語をそれぞれA、Bと表しても良い。

解答例
私は、Aが目標を実現するのに効果的な標語だと考えます。

なぜなら、Aの標語では、「届けよう」や「始めよう」といった、呼びかけの言葉が使われているからです。

このことによって、この標語を目にした生徒一人一人が、より強い当事者意識を持つことができ、自ら進んであいさつを行うようになると思います。

目標は「一人一人が積極的にあいさつをして気持ちよく学校生活を送る」であるので、私はそのことがよりわかりやすく表された標語であるAを選びます。

C問題

設問

近年、外国との間の人・物・情報の交流の増大や、諸文化における国際化の進展に伴い、日本語の中での「カタカナ語」の使用が増大しています。

カタカナ語の使用が増えていくことについてのあなたの考えを、別の原稿用紙に三百字以内で書きなさい。

ただし、次の条件にしたがって書くこと。

(注)カタカナ語 主に欧米から入ってきた外来語や日本で外来語を模してつくられた語で、カタカナで表記される語のこと。

【条件】

次の資料からわかることをふまえて、カタカナ語の使用が増えていくことについてのあなたの考えを書くこと。


【資料】

カタカナ語の例
カタカナ語 原語(もとになった外国語)の主な意味
コミュニケーション 伝達・意思疎通・通信手段
ポイント 論点・要点・目的・特徴・段階・地点・点数・先端
ニーズ 必要性・必要なもの
テンション 緊張・緊迫状態
リスペクト 尊敬・敬意
コンセンサス 意見の一致・合意

カタカナ語やカタカナ語の使用に関するさまざまな意見

・表現のかたさが和らぐ。
・人によって理解度が異なる。
・カタカナ語を使用しない方がわかりやすい。
・格好よくて現代風である。
・これまでにない物事や、和語や漢語では表しにくい微妙な意味合いを表している。
・多義性があり、誤解や意味のずれを生むこともある。
・原語の意味とカタカナ語の意味とが異なる。


解答例
私は、「カタカナ語」の使用が増えていくことに対し、危機感を抱くべきだと考えます。
資料から、カタカナ語には多くの意味があることが読み取れます。
一つのカタカナ語につき、原語の主な意味として挙げられている意味だけでも、必ず二つ以上あります。
このことから、同じカタカナ語を用いていたとしても、相手にも同じ意味で伝わるとは限らないと言えるでしょう。
資料でも、カタカナ語に対し意味に関して否定的な意見が目立ちます。
やはり、私はカタカナ語の使用が増えることに良い印象を持つことができません。
日本語として意味が確立した言葉を使うことを心がけたいです。

解説

全体
読解問題は多少急いで解くことも出来ますが、作文問題はどれだけ急いでも完成させるまでにある程度の時間がかかります。試験が始まったらすぐに作文から取り掛かることで、作文を確実に解き切ることができ、全体の時間配分が調整しやすくなります。そのためには、作文に掛ける時間をあらかじめ決めておき、常にその時間内で解き終われるように練習しましょう。

作文問題で最も重要なポイントは、題意をおさえた解答を作成することです。書くべき項目をもれなく十分に書いていれば、作文問題で大きく失点することはありません。

慌てず問題をよく読み、何を聞かれているか、何を書けばよいかを冷静に判断しましょう。問題文を読みながら、書くべきことを簡単に箇条書きでメモすると整理しやすく、また書き忘れも防げます。

また、以下の資料によると、作文の点数の三割程度は「表記」の配点となっています。原稿用紙の正しい使い方や誤字・脱字、文法の誤りには十分気を付けて取り組み、できればサッと読み直して間違いを直しましょう。

令和3年度一般入学者選抜 学力検査問題及び採点資料等

B問題
B問題では、自分の意見を伝えることに重点が置かれました。A、Bのどちらかを選択することが条件として示されており、作文の方針は立ちやすかったと思います。選んだ標語について、自分の意見をしっかり書くことができれば、得点を取りやすかったでしょう。

一方で、難しかった場合は、意見の記述が苦手になっていると考えられます。来年も資料の読み取り問題とあわせて、意見の記述が要求されるような出題が予想されるので、対策しておきましょう。

C問題
C問題では、与えられた資料には多くの情報が含まれており、また、設問でも細かい指示はなされなかったため、資料のどの部分を用い、どのような作文の展開にすればよいか分かりづらかったかもしれません。

今回の問題では、資料の内容を自分なりに読み取って、自分の意見と関連付けていく必要がありました。自分の意見をしっかりと持ったうえでの資料の読み取りが求められると言えるでしょう。何が自分の意見を支える根拠となるのかを判断し、資料から必要な情報を適切に読み取り、記述する力が必要です。

来年度の入試をC問題で受ける予定のある人は、今回のような出題になることも想定し、練習しておきましょう。

令和2年度 大阪府公立高校入試 作文・小論文

令和2年度の入試では、作文問題は大問五として出題されました。出題形式は、指定された条件を満たしつつ、自分の意見を述べるという小論文形式です。

今年度もそれぞれの問題で「資料」が与えられ、そこから読み取れることを踏まえて文章を作る形式となりました。昨今、ますます重要視されている「資料を読み取る」力が試される問題だったといえるでしょう。

文字数に関しては、B問題が260字、C問題は300字と例年と同様でした。また、配点はB問題で18点、C問題は20点でした。

注1 Webページで表示するため、「原稿用紙の正しい使い方」とは異なる改行などがあります。

注2 一部、著作権等の問題により図は表示できません。

以下、令和2年度 大阪府学力検査から抜粋

B問題

設問

ある中学校の図書委員会では、生徒の図書室の利用を活発にするためにどのような取り組みを行うかということを【資料】を参考に話し合い、次のA、Bの二つの【取り組み】が提案されました。

あなたは、A、Bどちらの取り組みが生徒の図書室の利用を活発にするために効果的だと考えますか。

あなたの考えを別の原稿用紙に二百六十字以内で書きなさい。

ただし、あとの条件1・2にしたがって書くこと。

【資料】

本(教科書や参考書、漫画や雑誌を除く)を読むことが好きだ
あてはまる 39%
どちらかというとあてはまる 29%
どちらかというとあてはまらない 19%
あてはまらない 13%
(全校生徒480名を対象に調査)

【取り組み】

A 小説やエッセーをはじめ、図書室には読みたいと思えるような本がたくさんあるということを伝えられる取り組み。

B 学習や生活に役立つ情報を調べるなど、図書室には読書だけでなく他の活用方法があるということを伝えられる取り組み。

条件1 A、Bのどちらか一つを選ぶこと。

条件2 【資料】から読み取れる内容をもとに、条件1で選んだ取り組みが効果的だと考える理由を書くこと。

* 二つの取り組みをそれぞれA、Bと表してもよい。

解答例
私は、Aの取り組みが生徒の図書室の利用を活発にするために効果的だと考える。
なぜなら、教科書や参考書、漫画や雑誌を除いた本を読むことが好きだ、どちらかといえば好きだと答えた人が、合計で68%いることが、資料から読み取れるからだ。
この人たちが図書館に頻繁に来るようになれば、生徒の図書室の利用はより活発になると考えられる。
そこで、そのためには、読書以外の活用方法をアピールするよりも、小説やエッセーなどの読みたいと思える本の存在を伝えていくことが効果的であると考える。

C問題

設問

あとの資料A、Bは、「おもむろに」と「檄を飛ばす」の二つのことばについて、「どちらの意味だと思うか」という質問に対する回答結果を表したものです。

これらの資料からわかることをふまえて、あなたがコミュニケーションを図る際に心がけたいと考えることについて、あとの原稿用紙に三百字以内で書きなさい。

ただし、次の条件にしたがって書くこと。

条件 資料A、Bの少なくとも一つについてふれること。ただし、どの資料を参考にしたのかがわかるように書くこと。

資料A
どちらの意味だと思うか 「おもむろに」

不意に
16~19歳 62.7%
20代 70.1%
30代 67.9%
40代 66.9%
50代 49.4%
60代 23.5%
70歳以上 6.9%

ゆっくりと(本来の意味)
16~19歳 28.8%
20代 17.2%
30代 19.3%
40代 24.2%
50代 37.6%
60代 59.8%
70歳以上 73.0%

資料B
どちらの意味だと思うか 「檄を飛ばす」

元気のない者に刺激を与えて活気づけること
16~19歳 60.2%
20代 70.7%
30代 74.8%
40代 66.6%
50代 70.3%
60代 71.8%
70歳以上 59.9%

自分の主張や考えを、広く人々に知らせて同意を求めること(本来の意味)
16~19歳 25.3%
20代 17.0%
30代 15.0%
40代 22.5%
50代 23.4%
60代 19.6%
70歳以上 26.8%

(資料A,資料Bともに「国語に関する世論調査」(文化庁)により作成)

解答例
資料Aから、「おもむろに」という言葉の意味の捉え方は、世代によって大きく異なることが読み取れる。
若い世代を中心に、本来の意味とは異なる意味での理解が広まっていることが分かる。
このことから、私は、コミュニケーションを図る際には、相手が言葉をどのような意味で理解しているかをきちんと確認することを心がけたい。
特に、世代の違う人と話すときには、自分と相手が異なった意味で同じ言葉を用いている可能性がある。
少しでも会話の流れや言葉の使い方に違和感を抱いた時には、そこですぐに確認を取り、自分の伝えたいことをきちんと伝えられるようなコミュニケーションを心がけたい。

解説

全体
読解問題は多少急いで解くことも出来ますが、作文問題はどれだけ急いでも完成させるまでにある程度の時間がかかります。試験が始まったらすぐに作文から取り掛かることで、作文を確実に解き切ることができ、全体の時間配分が調整しやすくなります。そのためには、作文に掛ける時間をあらかじめ決めておき、常にその時間内で解き終われるように練習しましょう。

作文問題で最も重要なポイントは、題意をおさえた解答を作成することです。書くべき項目をもれなく十分に書いていれば、作文問題で大きく失点することはありません。

慌てず問題をよく読み、何を聞かれているか、何を書けばよいかを冷静に判断しましょう。問題文を読みながら、書くべきことを簡単に箇条書きでメモすると整理しやすく、また書き忘れも防げます。

B問題
B問題では、自分の意見を伝えることに重点が置かれました。A、Bのどちらかを選択することが条件として示されており、作文の方針は立ちやすかったと思います。示された資料も読み取りがさほど難しいものではありませんでした。選んだ取り組みについて、選んだ理由を、資料から読み取った内容ときちんと関連付けることができれば、得点は取りやすかったのではないかと思います。

例年、自分の言葉で意見をしっかりと伝える力が試される問題が出題されています。来年も資料の読み取り問題とあわせて、意見の記述が要求されるような出題が予想されるので、しっかりと対策しておきましょう。

C問題
C問題では、与えられた資料には多くの情報が含まれていました。資料のどの部分を用いるかによって、作文の展開が大きく変わることが考えられます。設問でも細かい、具体的な指示はなされなかったため、作文を通してどのような意見を示せばよいか少し迷ったかもしれません。

今回の問題では、資料の内容を自分なりに読み取って、自分の意見と関連付けていく必要がありました。自分の意見をしっかりと持ったうえでの資料の読み取りが求められると言えるでしょう。作文を通してどのような意見を示すかをはじめに確立し、その根拠となる資料を用いて文章を構成しましょう。何が自分の意見を支える根拠となるのかを判断したうえで、資料から必要な情報を適切に読み取り、記述する力が必要です。

来年も同じような出題が予想されます。しっかりと対策しておきましょう。

平成31年度 大阪府公立高校入試 作文・小論文

平成31年度の入試では、作文問題は大問五として出題されました。出題形式は、指定された条件を満たしつつ、自分の意見を述べるという小論文形式です。

今年度はそれぞれの問題で「資料」が与えられ、そこから読み取れることを踏まえて文章を作る形式となりました。昨今、ますます重要視されている「資料を読み取る」力が試される問題だったといえるでしょう。

文字数に関しては、B問題が260字、C問題は300字と昨年と同様でした。また、配点はB問題で20点から18点に引き下げられました。C問題は例年同様20点でした。

注1 Webページで表示するため、「原稿用紙の正しい使い方」とは異なる改行などがあります。

注2 一部、著作権等の問題により図は表示できません。

以下、平成31年度 大阪府学力検査から抜粋

B問題

設問

2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催に伴い、外国人観光客のさらなる増加が見込まれています。

そこで、ピクトグラムを利用した案内用記号の充実が図られています。

ピクトグラムを利用した案内図記号の活用について、あなたはどのような点に注意するべきだと考えますか。

あなたの考えを別の原稿用紙に二百六十字以内で書きなさい。

ただし、次の条件にしたがって書くこと。

【条件】

次の資料から読み取れる、ピクトグラムの課題や問題点についてもふれて書くこと。


【資料(アンケート調査の結果)】

分かりやすいのはどちらか

(日本の温泉マーク) (温泉に人が入っているマーク)
JIS(国内規格)    ISO(国際規格)

ISO
JIS ISO
JIS ISO
日本人 62.9% 37.1%
外国人 29.1% 71.0%

(ここでいう外国人とは、韓国、中国、台湾、シンガポール、アメリカ、イギリスの六つの国・地域の人のことである)

解答例

私は、ピクトグラムによる案内用図記号について、外国人が分かりやすい図になっているかに注意する必要があると思います。

資料によると、外国人にとっては、JISの温泉マークよりもISOの方が分かりやすいことが読み取れます。現在、日本ではJISの温泉マークが地図記号など多くの場合に用いられています。しかし、外国人観光客を意識するなら、ISOの方がよいでしょう。

他のマークも同様です。日本でよく使われているマークが、外国人に理解されやすいとは限りません。外国人が容易に理解できるようにデザインを考えるべきだと思います。

C問題

設問

次の資料Aは、オランダの歴史学者であるヨハン・ホイジンガが著した『ホモ・ルーデンス』の冒頭の一文であり、資料Bは、平安時代末期に編まれた『梁塵秘抄』に収められている歌の一つである。

これらの資料からあなたが考えたことをもとにして、「遊び」とはどのようなものなのかということについて、別の原稿用紙に三百字以内で論じなさい。

ただし、あとの条件1・2にしたがって書くこと。


【資料A】

遊びは文化より古い。



【資料B】

遊びをせんとや生まれけむ 戯れせんとや生まれけん

遊ぶ子供の声聞けば わが身さへこそ揺るがるれ

(現代語訳)遊びをしようとして生まれてきたのであろうか、たわむれをしようとして生まれてきたのであろうか。無心に遊んでいる子供たちの声を聞くと、自分の身体までが自然と動き出すように思われる。


条件1 資料A、Bの少なくとも一つについてふれること。ただし、どの資料を参考にしたのかわかるように書くこと。

条件2 資料からあなたが考えたことを論拠とすること。

解答例1

遊びは、人間が生きていくために行う訓練の一つだと私は考える。

資料Aから、遊びは文化のできる前からある行動だと読み取れる。言い換えれば、文化よりも本能的な行動だといえる。

遊びには二つの効果があると思う。一つ目は、遊びによって身体能力を高めるという効果である。逃げたり追いかけたり隠れたりと、遊びには様々な種類の複雑な動きが含まれ、生存能力が上がる。

二つ目は、人間が社会生活をするうえで必要な、他者と協力し、良好な関係を維持する力を身に付けるという効果である。子供が遊びを盛んにする頃は、人間関係で色々な問題が起こることは多い。

私は、遊びとは、人間が生き残るために身に付けた知恵なのだと思う。

解説

全体

読解問題は多少急いで解くことも出来ますが、作文問題はどれだけ急いでも完成させるまでにある程度の時間がかかります。試験が始まったらすぐに作文から取り掛かることで、作文を確実に解き切ることができ、全体の時間配分が調整しやすくなります。そのためには、作文に掛ける時間をあらかじめ決めておき、常にその時間内で解き終われるように練習しましょう。

作文問題で最も重要なポイントは、題意をおさえた解答を作成することです。書くべき項目をもれなく十分に書いていれば、作文問題で大きく失点することはありません。

慌てず問題をよく読み、何を聞かれているか、何を書けばよいかを冷静に判断しましょう。問題文を読みながら、書くべきことを簡単に箇条書きでメモすると整理しやすく、また書き忘れも防げます。

また、以下の資料によると、作文の点数の三割程度は「表記」の配点となっています。原稿用紙の正しい使い方や誤字・脱字、文法の誤りには十分気を付けて取り組み、できればサッと読み直して間違いを直しましょう。

平成31年度一般入学者選抜 学力検査問題及び採点資料等

B問題

B問題では、与えられた資料の意図が分かりやすく、表を正しく読み取ることができれば作文の方針は立ちやすかったと思います。課題や問題点について、自分の意見をしっかり書くことができれば、得点を取りやすかったでしょう。

一方で、表の読み取りが難しかった場合は、資料の読み取りが苦手になっていると考えられます。来年も資料の読み取り問題として表やグラフなどが出題されることが予想されるので、対策しておきましょう。

C問題

C問題では、与えられた資料はどちらも分かりにくく、また設問も抽象的だったため、どういう方向で文章を作ればよいか分からなかったかもしれません。

資料の内容を自分なりに読み取って、それを元に自論を展開していく必要がありました。そのため、比較的難しい問題だったといえるでしょう。

このような問題では、どれだけ自分で文章が作れるかが試されます。令和元年度の入試をC問題で受ける予定のある人は今回のような書きづらい出題になることを想定し、練習しておきましょう。

平成30年度 大阪府公立高校入試 作文・小論文
(平成31年度入試の対策)

例年、作文の問題は大問四(論説文)の一部として出題され、大問四の本文に関連した設問となっていたため、作文に取り掛かる前に本文を読んでおく必要がありました。しかし、平成30年度の入試では、作文は大問五として独立して出題され、本文には一切関係しない内容となりました。

出題形式については、昨年度と同様、いくつか指定された条件を満たしつつ、自分の意見を述べるという小論文形式です。

今年度は、全体的に条件の指示が漠然としたものになり、書く内容の自由度が高まった点が特徴的でした。そのため、例年のような指示された内容を順に書いていけば解答が完成するという問題ではなくなり、自分で文章を構成する必要がありました。これは、今までにない新しい傾向です。

制限文字数に関しては、B問題が300字から260字に減少しました。C問題は変わらず300字でした。

注1 Webで表示するため、「原稿用紙の正しい使い方」とは異なる改行などがあります。

以下、平成30年度 大阪府学力検査から抜粋

B問題

設問

あなたは授業で、「インターネットの普及は私達に良い影響を与えているか」というテーマで討論をすることになりました。

次は、先生から出された、討論をする際の【指示の内容】です。

あなたなら、どのような意見を述べますか。あなたの意見を別の原稿用紙に二百六十字以内で書きなさい。

ただし、【指示の内容】に書かれている条件1・2にしたがって、文章を書くこと。

【指示の内容】

討論テーマ「インターネットの普及は私達に良い影響を与えているか」※普及=広く行き渡ること。

条件1 聞く人が分かりやすいように、自分の考えとその理由を明確に示しましょう。

条件2 自分とは異なる立場の考えや、自分の意見に対する反論などを想定し、それについてもふれましょう。

解答例1

私は、インターネットの普及は、私たちに良い影響を与えていると考えます。なぜなら、インターネットによっていろいろな情報がすばやく簡単に入手でき、暮らしが便利になっているからです。

確かに、インターネットによる情報のなかには、悪い影響を与えるものも含まれているかもしれません。しかし、そのような有害な情報は、私たち自身が気を付けて避けることで触れずに済みます。

インターネットは、私たちが意識して上手に使うようにすることで、良い影響を受けることが出来ると思います。

解答例2

私は、インターネットの普及は私たちに良い影響を与えていないと思います。なぜなら、私たちは、インターネットに夢中になることで、他にするべきことをおろそかにしてしまったり、不規則な生活になったりしがちだからです。

気を付ければそんなことにはならない、と考える人もいるかもしれません。しかし、多くの人は、スマホがあるとテスト勉強がはかどらなかったり、寝る前にスマホをいじっていて寝るのが遅れた、ということを経験したことがあると思います。

やはり、インターネットの普及は私たちに悪影響を与えている側面があると思います。

C問題

設問

あなたは授業で、「インターネットと私たちの暮らし」というテーマで討論をすることになり、あなたの班は、「インターネットの使用には注意が必要だ」という意見を述べることになりました。

そこで、この意見の説得力を高めるために、発表で提示する資料やデータを班で探すことにしました。

あなたなら、どのようなことがわかる資料やデータがあればよいと考えますか。

あなたの考えを別の原稿用紙に三百字以内で書きなさい。

ただし、次の条件1・2にしたがって書くこと。

条件1 あなたがよいと考える資料やデータは、どのようなことがわかるものなのかを具体的に書くこと。

ただし、実在するものかどうかは問わない。

条件2 条件1で挙げた資料やデータと、あなたの班が述べる意見とがどのように関連するのかを明確にすること。

解答例1

私なら、インターネットの使用には注意が必要だという意見の説得力を高めるために、インターネットの利用時間と学校の成績の関係を表したグラフを用意します。インターネットをより長く使用している生徒ほど成績が悪い傾向にある、ということを示すグラフです。

このグラフによって、スマホの利用時間、つまりインターネットの使用度合いが増えると、学校の成績が低下することがわかります。その上で、インターネットの使用によって日々の生活に悪影響が出る恐れがあることを指摘し、そうならないために、インターネットの使用には注意するべきだ、という意見につなげることができます。

解答例2

私なら、インターネットの使用には注意が必要だという意見の説得力を高めるために、熊本地震のときにインターネットで拡散された「動物園からライオンが逃げ出した」というデマによって、被災した現地の人々が混乱してしまった事件についての新聞記事を用意します。

この記事によって、インターネットから入手した情報が必ずしも正しいとは限らず、誤った情報が広まってしまう場合があることを示すことができます。そして、インターネットで得た情報は、本当に正しいかどうか疑う必要があり、インターネットの使用には注意が必要だという意見に関連させます。

解説

全体

読解問題は多少急いで解くことも出来ますが、作文問題はおおよそ一定の時間がかかります。

そのため、限られた時間で可能な限り全体の得点を上げるために、作文に使う時間をあらかじめ決めておき、試験が始まったらすぐに作文から取り掛かると、時間が足りず白紙の問題がたくさん残ることを防げます。

作文問題で最も重要なポイントは、題意をおさえた解答を作成することです。求められている項目をもれなく書いていれば、作文問題で大きく失点することはありません。

慌てず問題をよく読み、何を聞かれているか、何を書けばよいかを冷静に判断しましょう。

問題文を読みながら、書くべき内容を簡単に箇条書きでメモすると、忘れにくくて良いでしょう。

B問題

インターネットが与える影響について、自分の意見を述べる問題です。

このような意見を述べさせる問題は毎年出題されています。

しっかり自分の意見を持ち(その場で思いつき)、表現できるようにしておきましょう。

この問題では肯定的、否定的、どちらの立場をとっても良いですが、あらかじめ文全体の構成を大まかに考え、条件2の内容が書きやすいほうを選ぶべきでしょう。

条件2では、「確かに~かもしれない。しかし…」「~と考える人もいるだろう。だが…」といった譲歩の構文を使えばスムーズに解けます。

C問題

与えられた意見を補強するための資料やデータを自分で考え出し、それについて論じる問題です。

この問題形式は昨年度までのものとは大きく異なるものでした。

例年のC問題の作文は、書くべき項目が多く、字数不足で悩むことはありませんでしたが、今年度の問題は書くべき項目がたったの二個で、300字書くことがかなり大変でした。

字数不足はかなり厳しい点数になりがちなので、字数が足りなくなりそうならできるだけ字数を稼いで調整できるように練習をしておくべきかもしれません。

今回、問題内容に変化はありましたが、論理的・客観的な文章が構成できるかどうかを問う、という基本的な問題の趣旨は一貫しています。受験勉強を通じて、論理的に思考できる力を養うことができれば、来年度の作文問題も冷静に取り組めるでしょう。

平成29年度 大阪府公立高校入試 作文・小論文
(平成30年度入試の対策)

平成29年度の入試では、長文問題の一部として出題されました。

平成28年度の入試では、文章の指定箇所に関する出題でしたが、平成29年度では、文章全体を踏まえた出題に変更されました。

このため、作文問題に取りかかる前に、文章全体の要旨を十分理解しておく必要があります。

また、出題内容については、昨年度と同様、いくつか指定された条件を満たしつつ、自分の意見を述べるという小論文形式となっています。

A・B問題については、同じ文章から出題され、Aでは160字程度、Bでは300字以内という制限文字数の違いがありました。

Cでは、長文の内容もより抽象的で難しくなり、300字以内で論理的に構成された文章を書かなければなりません。

注1ホームページで表示するため、「原稿用紙の正しい使い方」とは異なる改行などがあります。

以下、平成29年度 大阪府学力検査から抜粋

B問題

設問

同じものごとであっても、全体をとらえたときと、部分をとらえたときでは、印象が異なることがあります。

このことをふまえて、あなたなら、ものごとを理解しようとするときに、どのようなことを心がけたいと考えますか。

あとの条件にしたがって、あなたの考え方を別の原稿用紙に三百文字以内で書きなさい。

条件1 最初に、全体をとらえたときと部分をとらえたときでは印象が異なる例を一つあげること。

条件2 次に、条件1であげた例について、全体をとらえたときと、部分をとらえたときとで、どのように印象が異なるかを書くこと。

条件3 さらに、あなたがものごとを理解しようとするときに、どのようなことを心がけたいのかを書くこと。

解答例1

私が、全体をとらえたときと、部分をとらえたときとで、印象が異なると思うのは、魚の群れです。

以前水族館でイワシの群れを見たとき、水槽に近づいて一匹一匹のイワシとして観察すると、それぞれは小さく、か弱い小魚に過ぎないように見えました。しかし、少し水槽から離れて群れ全体を見ると、群れはまるで巨大な一つの生物のように雄大で、立派な印象を受けました。

魚の群れは、近づいて一匹一匹を見るときと、遠くから全体を見るときでは、感じ取れることが違います。他のものについても、部分だけ、全体だけを見るのではなく、両方を見てより深く理解するように心がけたいです。

解答例2

私が、全体をとらえたときと、部分をとらえたときで、印象が異なると思うのは、大人数で行われるダンスです。

学校の運動会で、一学年全体によるダンスの披露がありました。音楽に合わせて大勢の生徒が見事に息を合わせて踊る様子は見ごたえがあり、感動しました。しかし、ふと一人一人を観察してみると、生徒ごとに少しずつ癖があり、個性があって面白く感じました。

大人数で行われるダンスは全体を見るときと、特定の生徒を見るときとでは感じ方が違います。ダンスに限らず、他のものを見るときにも、全体だけで見たり、部分だけで見たりせず、いろいろな視点を持って考えるように心がけたいです。

C問題

設問

日米比較文化論とあるが、比較文化論では、二つの文化を比較する方法を用いて文化を論じます。
ある文化を理解するときに他の文化と比較することの利点と問題点をあげながら、文化を理解するということについてのあなたの考えを、別の原稿用紙に三百文字以内で書きなさい。

解答例1

ある文化を理解するときに他の文化と比較することの利点は、他の文化との違いによって、ある文化の特徴がはっきり分かることがあげられる。

一方で、問題点として、ある文化と他の文化が根本的に異なる事柄については比較ができないことがあげられる。

文化を理解するには、むやみに自分の文化と比較するのではなく、自分と異なる考え方があることを理解し、他の文化を尊重することが重要だと考える。確かに、自分の文化と全く異なる文化に直面すると、違和感を覚え、理解に苦しむだろう。しかし、拒絶していては、他の文化を理解することはできない。

他の文化を理解するということは、自分と異なる考え方を認めるということであるといえるだろう。

解答例2

二つの文化を比較することの利点は、比較することによって、その文化独自の特徴に気付くことができることだ。

例えば、日本では食べる前に「いただきます。」と言うのに対し、欧米にはこのような習慣はない。この違いによって、日本人の食に対する考え方が明らかになる。

二つの文化を比較する問題点は、ある文化の考え方が、他の文化と全く違い、比較にならない場合があるということである。

文化が違うということは、目に見える生活様式だけでなく、価値観や考え方も違うということである。その国の歴史や宗教なども学び、精神的な面も含めて文化を理解しようとすることが重要だと考える。

解説

B問題

B問題は、本文のテーマである「全体をとらえる」と「部分をとらえる」に関連して、ものごとの例を一つあげ、それぞれのとらえ方での印象の違いについて論述し、さらに結論として、ものごとを理解しようとするときにどのようなことを心がけたいかを書くという問題になっています。

文章の中で対比を活用して、それぞれのとらえ方での印象の違いを説明したり、書いた内容に関連した適切な結論を述べる必要があるなど、論理的な文章を構成する力が問われます。

本問での条件3は本文の結論に合わせて「全体と部分の両方でとらえることを心がけたい」などとするとまとまりがよく、適切です。

今回の問題を解くには、文章で述べられている、桜と梅の例を理解し、書き始める前に、同様の事例を見つけ出さなければなりません。

すばやく適切な事例を見つけるには、訓練が必要です。

今回のような、事例を考えさせる問題に限らず、作文や小論文では、「例えば」などと事例を組み込むことで、説得力のある文章を書くことができます。

事例を使って文章を書く練習をすると良いでしょう。

また、今回の問題文は難解で、条件も多く設けてあるので、問題文の内容を理解し、どのような文章が求められているかを判断するためには、思考力・読解力が必要です。

普段の国語の学習で十分に実力を身に付けておきましょう。

平成28年度 大阪府公立高校入試 作文・小論文
(平成29年度入試の対策)

平成28年度の入試では、長文問題の一部として出題されました。長文中のある一部分の文章について、自分の意見を述べるという小論文形式となっています。

AB問題については同じ長文から出題され、Aでは160字前後、Bでは300字以内という制限の違いがありました。

Cでは、長文の内容もより抽象的で難しくなり、いくつか指定された条件を満たしつつ300字以内で文を書かなければなりません。

注1ホームページで表示するため、「原稿用紙の正しい使い方」とは異なる改行などがあります。

以下、平成28年度 大阪府学力検査から抜粋

B問題

長文中の一部

適切な言葉遣いができる「会話の達人」になるためには、やはり努力の積み重ねが必要です。

その第一歩は、言葉遣いに意識的になること。

自分の言葉はもちろんのこと、他人の言葉遣い、書物やメディアなどに出てくる表現も意識することです。

そして、特に人とやりとりする中から大いに学び、改善すべきところは改善し、わからないことは辞書などで調べるなどして、言葉遣いを磨くことです。

設問

本文中のIで示した箇所では、適切な言葉遣いができるようになるための努力について、筆者の考えが述べられています。

この筆者の考えをふまえて、あなたなら、適切な言葉遣いができるようになるために、今後どのようなことに取り組んでいきたいと考えますか。

あとの条件1・2にしたがって、あなたの考えを別の原稿用紙に三百字以内で書きなさい。

条件1 あなたやあなたの周りの人たちの言葉遣いに対するあなたの考えを書くこと。

条件2 次に、最初に書いたあなたの考えをふまえて、あなたが今後取り組んでいきたいことを一つあげ、その取組みが適切な言葉遣いにどのようにつながるのかについて書くこと。

解答例1

友人は実際にはそれほど気持ち悪く無いことに対しても、冗談交じりで「きもい」という言葉をよく用います。

しかし、傍から聴いている私にとっては、その言葉はあまり気持ちの良いものではありませんでした。

感情の度合いに関わらず、全てを「きもい」の一言で表現すると、話し手と聞き手で認識の違いが起こるため良くないと思いました。


このことから、私は自分の感情を適切に相手に伝える言葉遣いを身につける必要があると感じました。

そのためにも様々な本を読むことを通じて、多様な感情を表す言葉に触れて、それを少しずつ自分のものにしていきたいと思います。

解答例2

私は、仲の良い学校の先生に対して敬語を用いずに話すことが多々ある。

しかし、友人は同じように先生と仲が良いが、常に敬語を使って会話している。

そうした彼の言葉遣いと比較すると、私の話し方には少し問題があると思う。


これから私は、彼の話し方や大人の人同士の会話の仕方を意識して聞くようにしたい。

大人はたとえ親しい私人関係にあったとしても、公の場においては相互に最低限のマナーとして敬語を用いる。

それが社会的に正しいとされているからだ。

私もそうした人々の会話から学ぶ中で、少しずつ自分の話し方を改善していき、適切な言葉遣いを身につけていきたい。

解答例3

私の言葉遣いの問題点は、表現力に乏しく自分の気持ちを上手く言葉にすることができないことだ。

友人から、本やドラマ、映画、テレビ番組の感想について尋ねられても、いつも「面白かった」、「楽しかった」、「感動した」といった単調な返答しかできない。

結果として相手も聞いていてつまらないので会話が弾まない。


私はこれから他の人が使っている感情表現や言葉を意識して聞くようにしたい。

当然ながらそこで聞いた言葉を全て自分のものにすることは不可能である。

しかし、それらを少しずつでも発言の中に取り入れていくことが、自分の表現力を豊かにしていくだろう。

C問題

長文中の一部

私たちの心は、自分だけしか知りえないという意味で、個に閉じたものだ。

しかし、その心はまた、他者の心を読むための機能を持つものとして、私たちに備わっている。

その機能ゆえに、私と他者はつながれ、閉じた個から他者へ、さらには社会へと広がっていく。

他者を理解し意味づけること、共感的理解に基づく関係や秩序ある社会集団を維持することは、他者の心を読むことの上に成り立っている。

私の心が他者の心を読み、他者の心が私の心を読むことにより、私たちそれぞれは、個であることを超えて、社会という、人と人とのつながりの中に組み込まれていくのだ。

設問

次は、他者の心を読むという行為に関連して、他者の心を読むときの二つの方法について述べたものである。

方法Aまたは方法Bのどちらかについて利点と問題点とをあげながら、他者の心を読むということについてのあなたの考えを、別の原稿用紙に三百字以内で書きなさい。

方法A 自分の心を手がかりにして他者の心を読むという方法。

他者がおかれている状況に自分自身をあてはめたうえで、これまでの経験をふまえて自分自身の考えや感情、態度などを把握し、他者と自分と同じような心の状態であると考えて、他者の心を理解しようとする。

方法B 他者の心や他者のおかれた状況の特性についての知識を適用して他者の心を読むという方法。

自分自身が経験したことのない事柄でも、ある状況が引き起こす心の状態や、心の状態と行動との関係などについて、一般的な知識を活用して他者の心を理解しようとする。

解答例1

方法Aの利点は、他者のおかれている状況を自分にあてはめて考えるので、心境が想像がしやすく感情移入しやすい点が挙げられる。

一方で問題点として、自分が経験したことのない状況における心を理解することが難しい点が挙げられる。


他者の心を読むことは私たちが社会生活を営む上で必要不可欠な行為だ。

他者と会話をする、遊ぶ、交流する、共に仕事をする時、私たちは常に相手の心を推測しながら行動している。

そして、こうした行為の積み重ねこそが自身の新たな社会経験となり、結果としてより正確に他者の心を読むことが出来るようになっていく。

人は他者の心を読むことにより社会的に成長し、それは社会全体を良いものへと導いていくといえるだろう。

解答例2

方法Bの利点は、人生経験が少ない若者でも、一般的な知識を活用することでその欠点を補い、他者の心をある程度理解できることだ。

一方で問題点としては、知識の無い事柄に関しては他者の心を読むことが出来ない点が挙げられる。


他者の心を読むことは、社会の中で生きていく上で不可欠である。

例えば、文化祭等でクラスで一つのことをやり遂げる場面を考えてみたい。

それを成し遂げるには、たとえ自分の思い通りに事が進まなくても、同級生の考えを理解した上で自身の行動を変えていく必要があることは明白だ。

このことは、学校に限らず会社で働いていく中でも同じである。

心を理解することは、相手を知るためだけにあるのではない。

社会を動かしていくために無くてはならない行為だ。

解答例3

方法Aの利点は、自らの経験則に基づいて考えることにより、他人の心に対する理解度が深まることが挙げられる。

一方で問題点としては、主観を交えて判断するために他者への理解に個人差が生じてしまうことが挙げられる。


他者の心を読むことは、秩序だった社会生活を営むことにおいて必要な行為である。

また、そうした社会生活の中での人生経験は、他者への理解をより深めることだけでなく、自らを他者に理解してもらうための振る舞いを学ぶことにもつながる。

心を理解することは、人と人とのつながりで成り立つ社会をよりよいものにするだけでなく、自分自身を成長させるための手段の1つともいえるだろう。